せめてお別れだけでも夫のそばで。

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こんにちは ブログをご覧いただきありがとうございます。
プライベートナーシングコハルです。

先日、入院中の方の葬儀参列にご一緒させていただきました。

ご夫婦二人三脚で支え合ってこられた方でした。
がんを患いながらも夫婦で生活してこられてきましたが、夫が認知症となったことをきっかけに、施設に2人で入所していました。

そんな中、ご利用者様は、体調を崩され、しばらく入院していたところ、同時期にご主人様も体調を崩しされ、体調が戻らずお亡くなりになりました。

目次

息苦しさ、痛みはあるけれど

葬儀に出たいと病棟看護師に相談され、コハルに依頼がありました。
2日後に迫っていたため、ご依頼をいただいた日の夜に病棟とご利用者様の了承を得て、面会に行かせていただきました。

ご夫婦二人三脚で過ごされていたこと、お二人の思い出や、夫への思いを聞かせてくださり、
「私がこんな体だから、ずっと心配かけてしまった。最期にもそばにいることができなかった」
「息苦しさと痛みはあるけれど、ずっと連れ添ってきたから最期まで近くにいてあげたい」
と涙ながらに話されました。

安全に安心してゆっくりとお別れができるように医療福祉チームと連携をとることをお伝えしました。

病棟の看護師、主治医と共に話し合い、症状コントロールの現状、痛み止めや酸素の指示をいただき、当日を安心して迎えられるよう準備しました。

また、提携の介護タクシーとともに下見に行き、葬儀の担当の方との打ち合わせ、葬儀場のバリアフリーや休憩所なども見学し車いすで過ごすことができるかを測定しました。

葬儀付き添いサポート 当日

病棟看護師さん、主治医の先生の症状コントロールの情報や的確な指示のおかげで、症状緩和がはかれ、ゆっくりとご家族との時間を過ごすことができました。
このときは黒子になり、見守り、ご本人とご家族様が安全に安心して過ごせるようにサポートいたします。

葬儀付き添いサポート 後日

大切な方を亡くされたとき、しばらくは気が張り、実感がわかず、数週間たつと深い悲しみが襲ってくることが多いと言われています。
そのため、コハルでは、四十九日の法要が終わった後のころにお手紙を送付したり、ご要望に応じて訪問をさせていただいております。
決して無理に感情をこじ開けたりすることはありません。
リラクゼーションのケアをしたり、お話しを聞いたりすることで自然と吐露される方が多く、ご利用者様にあわせた対応をさせていただいております。

今回は退院後の施設に面会に行かせていただきました。
はじめは気丈にふるまわれていたご利用者様。
肩や背中のマッサージを行いながらお話しを伺うと、ぽつりぽつりと、「こんな病気にならなければ最期までずっと一緒にいれた」「最期の時私がそばにいなくてどんなに不安だっただろう」と話されました。
「でも、しっかりお別れをできていなければもっと後悔していたと思います。葬儀にいけてよかった。」
とお話しくださいました。

緩和ケア認定看護師による葬儀付き添いサポートのメリットとは

ご遺族へのグリーフケア(悲嘆ケア)

  • 緩和ケア認定看護師は、がんと診断されてからご逝去後までのトータルサポートを行うための訓練や実績を積んでいます。そのため、大切な方を亡くされた直後のご遺族の深い悲しみに寄り添い、適切な声かけや傾聴を通じて精神的な支えとなります
  • 専門的な知識を持つことで、遺族の混乱や不安、孤独感を和らげるサポートができます

心理的な安心感の提供

  • 緩和ケア認定看護師は、心理、身体のすべての側面からトータルサポートするための訓練や実績を積んでいます。
    そのため、大切な方を亡くされた方で強いストレス反応が現れる場合の心理的サポートを行うことができます。
  • 無理に感情をこじあけたりするのではなく、その方にあった心理的ケアを行います。

身体的なサポートをするための豊富な知識と経験

  • 緩和ケア認定看護師は、症状緩和において幅広い知識と経験を身につけています。そのため、ご利用者様の状態にあわせて、幅広い視点から予測されるリスクを見出し、先もって症状緩和に努めることができます。

継続的なケアの架け橋

  • 葬儀後も必要に応じて、遺族の心身の健康状態を見守り、必要な支援や相談窓口につなげる役割を果たせます
  • 葬儀の場でご遺族の状態を把握し、今後のケアプランに反映することができます。

このように、緩和ケア認定看護師が葬儀に付き添うことで、ご遺族の心身のケアと安心感の提供、そして葬儀後の継続的な支援へとつながる多くのメリットがあります

葬儀の付き添いサポート まとめ

大切な方を亡くされたとき、それは誰にもわからない深い悲しみがあります。
コハルは、緩和ケア認定看護師として、多くの看取りの現場にご一緒させていただきました。
深い悲しみは私たち看護師には到底「わかる」ものではなく、言葉で言い表すことのできないものです。
しかしながら、悲しみを「わかろうとする」ことは私たちにもできます。
これは、常日頃、私たちが理念として掲げていることです。

ご利用者様のお気持ちに寄り添い、そばにいて「わかろうとする」こと。
そして、ご利用者様とご家族様が、ゆっくりとお別れができるように黒子となり、こころを込めて質の高いサポートをさせていただきます。

この度はご一緒させていただきありがとうございました。






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