こんにちは
プライベートナーシングコハルのブログをご覧いただきありがとうございます。
ご家族やご友人ががんと診断された…
そんなとき
どんな言葉をかけていいのかわからない
傷つけてしまうかもしれない
どう対応したらいいのかわからない
そんなお悩みはありませんか?
ショックな知らせを受けたとき
人は、大きくわけて4つの心理的な変化をたどります。
その心理的状況別にかける言葉
かけない言葉についてお伝えしていきたいと思います。
否認

ショックな知らせを受けたとき
がんと診断されたこと自体が、ありえない。信じられない。
今ある症状ががんであることと関連していない。
そして、奇跡を信じる気持ち
これらの感情を持つことで、自分の心を守る反応です。
診断直後に起きやすい反応です。

がんって聞いたけど、違う人の結果だと思う。間違いだと思う

もしかしたらそうかもしれないね。もう一度しっかり話しを聞こうね

ここ痛むけど、この前腹筋したときの筋肉痛だと思う

この間腹筋頑張ってたもんね!確かに筋肉痛かもしれないね。

この人(ブログなど)が何の治療もしなくてもがんが消えたって言ってる。だから治療しなくても大丈夫

その人がんが消えたんだね!そうなったらいいね!
というように否定せずに、しかし、同調しすぎずに聞いてあげてください。
コツは、言葉を飛躍させずに、その方が言っている言葉をオウム返しのように伝えることです。
このとき、正論を伝えるのはNGです。
ただ、この否認がすぎると、病院に行かなくなってしまったりすることもあります。
治療が遅れてしまうとリスクが高いこともあるので、
「念のため病院にはかかっておこう」「もしも何かあったときに病院とつながりが切れていたら大変だから」
などとの声をかけて、受診は切らさないようにしてください。
難しければ、医師や看護師に相談するとよい解決方法を教えてくれますので、抱え込まないようにしてくださいね。
置き換え

不安や恐怖感を泣くことや怒ることで対処することです。
一般的には怒りが出ることが多くあります。
誰かのせいにしなければ、自分を保つことができない。
それほど大きな苦しみを抱えているということです。

あの医者のせいで、発見が遅れた!
話が二転三転しているのが許せない!

・・・(だまってうなずく)
許せない気持ちなんだね。

会社でストレスをかけられ続けたからがんになってしまった!

・・・(だまってうなずく)
このように、黙ってうなずく、聴くということ、その出来事自体に焦点を当てるのではなく、「許せない」「腹が立つ」という気持ちに焦点を当てることが大事です。
一緒になって怒るというよりは、そんな風に感じて辛いね・・という具合です。
ただ、怒りの矛先が、近くにいるご家族に向いてしまうときもあるので、そのようなときは距離を置くのも一つです。
これは、冷たいのではなく「見守る」という行動をとっているので、寄り添っていること、大事に思っていることには変わりないのです。
投影
受け止めきれない不安や恐怖、自分自身が仕方なくあきらめた気持ちや感情を他の人に移すことで対処する心理状況です。

この治療について娘が心配しているので、もう一度話を聞かせてやってください。家族が心配しているので、この治療はやめます。

ありがとう!一緒に話しを聞こうね

あの人、いつも受付にクレームを言ってるな!腹が立つ!

そうだね。あなただって、みんなだって我慢してるのにね…
一つ目の例は、自分に不安が強いが、家族が不安がっているに違いないと無意識に投影することで、自分自身を保っています。
この場合は、「いやお母さんが不安なんでしょ!」などと言わずに、感謝の気持ちも伝えることで本人の気持ちがラクになります。
二つ目の例は、よくあることだと思います。
待ち時間の長い病院で、受付に怒鳴っている人をみて腹が立つ。
これは、「長い時間を奪われることに対しての怒りの感情をあきらめ、仕方がないと受け入れている」から腹が立ってしまうのです。
病気になってしまって辛い気持ちを抱えているうえに、時間もお金も奪われる。
こんなに腹立たしいことはありません。
それに対しては、「人は人でしょ!」「腹を立てたって仕方ないじゃない」
などとは言わずに、その辛い心情にフォーカスしてあげてください。
退行
今の自分の発達段階よりも幼い考えをすることで、ストレスや葛藤を感じにくくする対処方法のことです。

あれとって! こんな味付けやめてくれ! 呼んだらすぐに来てくれ!

はいどうぞ。どんな味付けだったらいい?
あなたのことを応援してるけれど、きつい言い方をされたら私も悲しいわ。
一番近くにいる家族には、ついつい甘えて感情をぶつけてしまいます。
こうやって幼く甘えなければ、自分を保つことができないほどつらいということです。
ただ、「本人が一番つらいから」と要望を聞いてばかりいると
エスカレートし、次第にご家族は疲弊してしまいます。
ある程度は聞いてあげるけれども、しっかりと自分の感情は伝えるようにしてください。
それが、「あなたのそばにいる。あなたを見捨てたりしない。あなたの味方」を伝えるメッセージになります。
また、一緒に熱中できる気分転換になるものをみつけるのも一つです。
旅行やお出かけの計画だったり、映画や読書などもいいかもしれません。
すこし、気分が逸れることがみつかると自然と笑顔が増えていくこともあります。
まとめ

いかがでしたでしょうか
これらは、順番に現れるのではなく、行ったり来たり、同時に出てくる心理状況です。
とても辛い気持ちを抑えることができずに
一番近くにいる家族についつい感情をぶつけてしまう。
そして
そのあと、猛烈に自分を責める。
また、ご家族も「一番つらいのは本人だから」と自分の気持ちに蓋をして頑張り続け、疲弊する。
そんなご家族をたくさんみてまいりました。
他人に頼ることは、決して逃げること、見放すことではありません。
お気軽にご相談ください