
こんにちは
プライベートナーシングコハルのブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は、「苦しまずに逝く人の共通点」をテーマにお話しさせていただきます。
タイトルを聞いてぎょっとした方もおられるかもしれません。
けれどもこれは、最期のときだけではなく生きていく上で重要なことなのです。
緩和ケアの現場でみてきて、わたしが感じたことです。
読んでくださったあなたが、より豊かに生きるきっかけになりましたら幸いです。
最期に苦しまずに逝く人の特徴

「苦しまずに逝く」
ときいてあなたはどんなことを想像しますか?
医療用の麻薬を使って痛みのない状態にする
鎮静のお薬を使って眠るように逝く
後悔のない人生にする
様々なお考えがあると思います。
確かにこれらは必要です。
けれどもこれらよりももっと大事なことがあるのです。
それは
「人の手を借りなければ生きられない自分もOK」
と思えるかどうか。
この力を持っている方は
自然と「今あるもの」に目がいき
自分自身や家族など周りの人に感謝の気持ちがうまれます。
最期まで穏やかに過ごされたAさん
Aさん
70代 男性 胃がん終末期 予後は数週間と本人に告知されている
独身 一人暮らし
清掃業に従事されていた。
いつも穏やかな口調で話され、院内図書館や友人に持ってきてもらう本を読んでおられた。
次第にだるさがでてきて横になる時間を多くなり、ご自身でトイレにも行くことができなくなってきた。
いつも「ありがとうね 助かったよ」「あなたが来てくれて嬉しい」と
どの看護師にも笑顔で感謝の気持ちを伝える。
どうしてそんなに穏やかでいられるのかと質問したことがあった。
すると「そんなことないよ 普通だよ」とびっくりしながらも、
「困っているときは助けてもらう。誰かのおかげで生きていけるんだから。
助けてもらうことは恥ずかしいことじゃないよ。その代わり感謝の気持ちをもってね」と教えてくださった。
いつも怒鳴っていたCさん
60代 男性 肝臓がん終末期 予後1か月と告知されている
夫婦二人暮らし 建設業経営
ナースコールで呼んでもすぐに来なかった
風呂場で待たされた
話しを聞き返された
見るだけでイライラする
理由は様々だったが、暴言や壁やドアをける、物を投げるなどの暴力行動が目立った。
医師には穏やかに話し、看護師や妻には感情をぶつける
「こうやって看護師たちを育ててやってる!」
「お前たちは給料をもらってるんだからいうことを聞いていればいい」
と話す。
働きたいけれど働けないつらさを健康で働くことのできている看護師にぶつける
「育ててやっている」と存在意義を示すことのできる何かを必死に探す
最期の意識がなくなっていく直前まで、看護師や妻への暴力は続いた。
妻は面会に来なくなった。
どちらが正解という話しではない
二名の方の事例を紹介させていただきました。
これはAさんが良い人て、Cさんが悪い人といった単純な話しではありません。
ただ、辛いのは紛れもなく、Cさんの方です。
毎日毎日とてもお辛そうでした。
それに対してわたしたちは何もしてあげられない。
暴力や暴言があったので、自分たちの身も守らなければならない。
そうなのです。
自分で何とかするしかないのです。
自分自身が「ないもの」ばかりでなく
「あるもの」に目を向けられるかどうかなのです。
どうして苦しむのか
わたしたちの多くは
「人の迷惑になってはいけない」
「人の役に立ってこそ一人前」
育てられました。
人はうまれたとき
幼いとき
誰かの手を借りなければ生きていけません。
生きること
そして最期を迎えるときも同じなのです。
その時に、「人の迷惑になってはいけない」「人の役に立たなければ価値がない」という価値観を握りしめていると
「自分のこともできない、迷惑になる存在の自分は価値がない」と苦しみます。
その苦しさは、自分でコントロールがつきません。
大切な家族や周囲の人に感情をぶつけたり、存在意義を示すために人を傷つけることを正当化したりします。
こんなに苦しいことはありません。
苦しまずに逝くために今からできること
さて、それではどうすればいいのか
お話ししていきます。
「今あるもの」に目を向ける
これは本当に難しいことだと思います。
長年培われてきた価値観を変えることは簡単ではありません。
けれども思考のクセを治してやることで
変わることができます。
例えば
大きい深呼吸をしたら
「呼吸がスムーズにできる。ありがたい」
ご飯を食べたら
「暖かい、冷たい、からい、甘い、味わうことができる。ありがたい」
外に出たら
「色鮮やかな季節を美しいと感じることのできる目や心がある。ありがたい」
朝目がさめたら
「今日も起きることができた。ありがたい」
こんな当たり前のことに感謝できないと思うかもしれません。
けれどもこれらは当たり前ではないのです。
一日一度でもいいので、「あるもの」に目を向けて感謝してみてください。
習慣化すると、驚くことが起きます。
ささいな人の優しさも心が溶けるほどありがたく感じ
感謝の気持ちが深くわきます。
涙もろくなってしまうのは難点ですが(笑)
人に助けを求める
何でもひとりで抱え込んでいませんか?
自分がやらなければと思っていませんか?
私もそうでした。
1人で抱えて、自分で完結する。
人に頼むよりも自分でやる方が確実で早い。
そもそも助けを求める必要なんてない
なんて思っている可愛げがないやつでした(笑)
困っている人を助けてあげる。
それは素晴らしいことです。
けれども、それがなんらかの原因でできなくなったとき
あなたは自分を保つことができますか?
自分でやる方が確実で早いと思っていることも
助けてもらうと自分と違う知見が入ったり
よりよいものになったりするものです。
人に助けてもらう
そして、それを当たり前と思わずに感謝する。
これを習慣化してみてください。
人の役に立てない自分は価値がない を手放す
最後はこれです。
長年もってきた「人の役に立てない自分は価値がない」という古い価値観を手放すことです。
この価値観はあなたのお尻をたたき、成長させてくれました。
絶対に否定してはなりません。
けれども成長の先にいつも「まだまだ足りない…」と悩むことも多いのではないのでしょうか。
そして、一生お尻を叩き続けなければなりません。
「もう大丈夫」と手放したとしても
「頑張れないあなた」になることはなく、
むしろ
お尻をたたかなくてものびのびと成長できるようになるものです。
いまのうちに手放しておくことをおすすめします。
苦しまずに逝くために まとめ
いかがでしょうか
苦しまずに逝くためにできることは、想像とすこしちがったかもしれません。
「今あること」に目を向けること
「人に助けを求めること」
「人の役に立たない自分も価値がある」
これらはすべてつながってきます。
わたしもまだまだ修行中です。
一緒にいまからはじめていきましょう

