こんにちは
ブログをご覧いただきありがとうございます。
プライベートナーシングコハルです。
がんの治療を頑張っている方へ
痛みがある、気持ちが辛い
そんな状態を先生に相談したら「緩和ケア外来を紹介します」と言われてしまった…
そんな経験はありませんか?
緩和ケア外来にいると、「緩和ケアなんか求めてないのに、先生からの指示で仕方なく来た」と言われる方も少なくありませんでした。
その背景は
「緩和ケア」=「治療のあきらめ」という勘違いからくるものです。
今日は、緩和ケアとは、本当に「あきらめること」なのか、緩和ケアを受けるメリットについてお伝えしていきたいと思います。
がんの治療を頑張っておられる方やご家族のよりよく生きるための選択肢の一つとしてこの情報がお役に立てると幸いです。
緩和ケアとは
緩和ケアは
がんや心臓や神経の病気や難病など、生命にかかわる病気を持つ患者さんやご家族が「自分らしい生活」を送れるように、こころや体のつらさを和らげるためのケアと治療です。積極的な治療をあきらめるためのものではなく、診断されたときから、治療と並行して受けることができます。
緩和ケアの主なポイント
からだ こころ 社会的 スピリチュアル面
の4つの側面からアプローチします。
風邪をひいたら内科に、けがをしたら外科に、気持ちが落ち込んだら心療内科や精神科に、金銭面や家族のことで悩んだら役所やソーシャルワーカーになど餅は餅屋で、医療福祉は行われています。
しかしながら、緩和ケアは、その方を形作っているすべての苦痛をトータルでみていきます。
からだが辛いとこころが辛い
家族や金銭面が辛いとこころが辛くなる
こころが辛くなると「もう生きる意味がない」といったスピリチュアルな苦悩にもつながっていきます。
そして、その逆も然り
このように4つの側面は互いに共鳴しあい、その方の苦悩を形作っているのです。
これらをしっかりとアセスメントし、その方の力を最大限に引き出しながら伴走していくケアや治療が緩和ケアです。
もちろん、医師看護師だけでは、トータルサポートは叶いません。
心理士やソーシャルワーカー、薬剤師、理学療法士が揃って緩和ケアチームとして活動している病院が多く存在しています。
緩和ケアを受けるメリット
ここまでで、緩和ケアについてお伝えしていきました。
では、そのケアや治療を受けると、どんなメリットがあるの?という疑問にお答えしていきたいと思います。
治療の頑張り方がわかる

厳しい食事管理、体調管理など、治療の効果をあげるために頑張っておられる方が多くいらっしゃいます。
これはとても素晴らしいことですが、食べたいものが食べられない、食べたくないのに無理に食べる、外出や楽しみを制限するというようになってしまうと気分転換がはかれず気持ちが滅入ってしまうことがあります。
そこで、緩和ケアでは、現在頑張られている方向性がその方にとってぴったりなのかを一緒に考えていきます。
すると自信をもって頑張ることができたり、すこし力を抜いたりということが可能になります。
毎日を心地よく過ごすことができると治療の効果があがるということも期待されます。
生活の質が高まる

緩和ケアでは、その方と一緒にケアや治療のゴールをきめていきます。
そのゴールにむけた第一段階は、体やこころの苦痛が緩和され、「ぐっすり眠れる」ということを設定することが多くあります。
しっかりと眠れると活力が湧き、気分転換にもなり、前向きに行動することができるようになることがあります。
すると、生活の質がしっかりとあがり、充実感に満たされ、ご家族とゆっくり過ごしたり、仕事を頑張ったりすることができるようになるのです。
ご家族もサポートを受けることができる

通常、診察といえばご本人が医師の前に座り、ご家族がその横の椅子に座るという場面が想像されると思います。
しかし、緩和ケアでは、ご家族の苦痛の度合いに応じて個別で面談をすることもできます。
ご家族は、第二の患者と言われ、患者の苦痛を一番近くで感じ、その辛さを実感できないからこそ、ときに患者よりも辛い苦悩を感じていることもあります。
患者さん自身も辛さのあまり一番近くにいるご家族に甘えてしまい、イライラをぶつけたり、思うように動かそうと操作したりなどということも起きます。
「本人が一番つらいんだから」と我慢しがちになるご家族ですが、支えるご家族こそが、気持ちのつらさを緩和する必要があるのです。
友達や身内にも心配をかけるから言えない、どこに相談したらいいかわからないと緩和ケア外来にこられるご家族様が多くいらっしゃいました。
カウンセリングを行うことで、ご自身の気持ちを少しずつ整理することをお手伝いしていきます。するとまた、患者さんのそばで支えることができるようになっていくのです。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
緩和ケアは、「がんやその他の病気が手に負えなくなったとき」や「最期のとき」だけのものではありません。
診断されたときから、心や体のつらさを和らげ、心地いい毎日を支える医療です。
プライベートナーシングコハルでは、緩和ケア認定看護師が訪問し、保険制度内の他事業所と連携しながら、ご利用者様とご家族様を支えます。
「専門的な緩和ケアを受けたい」
「こころのケアも同時に受けたい」
「治療の頑張り方が合っているか聞いてほしい」
「症状がコントロールされて、好きなことができるようになりたい」
とお考えの方は、ぜひ一度ご相談くださいませ